賃貸客付け

 

管理人が不動産屋さんとしてデビューを飾ってから、早や十数年が経過しようとしています。

現在では、建売用地の仕入れや現場管理、そして時折、売買仲介などをこなすのが主な仕事となっていますが、当初は賃貸の営業マンからのスタートでした。

今の会社に入る前は住宅設備関連の仕事をしており、「不動産屋さんなら多少は前職の経験が活かせるのでは・・・」と思っていたのですが、これは大きな勘違い。

全く右も左も判らず、右往左住するばかりの毎日だったのを憶えています。

そこで本日は、そんな新人時代に経験した初めての賃貸客付けの体験記をお届けしてみようかと思います。

これから不動産会社に就職をお考えの方には、業界の雰囲気を味わって頂けるかと思いますし、既に業界にお勤めの方に笑い話程度にお楽しみ頂ければ幸いです。

では、さっそくお話を始めましょう。

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初めての不動産業界

学校を卒業した後、大した将来への展望もないまま、建築資材関係の会社に営業マンとして就職を果たした管理人。

当時はまだまだ世間を舐めており、2年目を過ぎたあたりから「このまま一生をこの会社で過すのは嫌だ・・・」なんて考えが頭をもたげ始めます。

そして、地方の営業所への配属を命じられたのを機に辞表を書き、次の職も見つからないまま無職の身に。

貯金もそれ程ありませんでしたので、何処か良い勤め先はないものかと情報を漁る中、パッと目に付いたのが今の会社の営業マン募集広告でした。

「とりあずは候補のひとつに・・・」なんて感覚で、問い合わせを入れてみたところ、翌日には履歴書を持って来るようにとの指示を受けます。

慌てて文房具屋で履歴書を購入して、面接に向かいましたが、非常に簡素な面接の後「何時から来られる?」とのお言葉を頂きました。

「こんなに簡単に次の仕事決めていいのか?」とかなり悩みましたが、面接を担当してくれた社長の圧力にすっかり負け、ズルズルと業界に引き込まれて行ったのです。

勤務初日、他の社員の方々に挨拶を済ませた後、教育係として先輩営業マンが仕事の手順を教えてくれましたが、業界用語満載で話の半分も理解出来ない状態。

そんな私を見て先輩は、「まぁ、とりあえずやってみな」との言葉を残し、自分の仕事に戻っていくのでした。

「マジかぁ・・・、説明それだけか・・・」と途方に暮れながら、とりあえずはレインズやアットホームの物件を見て、賃貸の相場を頭に叩き込むことになります。

初日はこんな感じで仕事を終えましたが、帰り際に先輩より「明日から接客してもらうから!」という言葉を頂き、その日は眠れぬ一夜を過ごしました。

そして翌日、『お客来るな!お客来るな!』と強く念じながらアットホーム図面の整理をしていましたが、「来るなと思うと来てしまう」のが世の常。

私の初めてのお客様が来店されるのでした。

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初めての客付け業務

接客自体は前職である程度経験していたので、勇気を振り絞って接客カウンターに向かいます。

ご来店されたお客様は、既に就職も決まり卒業を控えた女子大生の方。

就職を機に、学生時代から住んでいたいたアパートを引き払い、新しい住処を探したいとのことでした。

とりあえずは先輩方の接客を手本に、お部屋探しの希望条件を聞き出して行きます。

その条件をまとめてみると

  • 駅徒歩10分以内
  • マンションタイプ希望で1階は不可
  • オートロック付の築浅
  • バス・トイレ別で、コンロはガス
  • 床はフローリング
  • 賃料は8万円以下

というものになります。

今考えれば、かなり上質なお客様なのですが当時はそんなこと全く理解出来ず、大汗をかきながら物件を探し始めます。

いくつか物件を見繕ってお客さんに図面をお渡ししますが、「これ一階ですよ」、「これは床がフローリングじゃないみたい」など、逆にお客さんからツッコミを受けてしまう有り様。

結局かなりの時間を費やして物件情報を漁ったのですが、この日はご案内には至らず、見つかり次第ご紹介するというパターンになってしまいます。

それ以来、朝一番でレインズなどの新着情報をチェックし、条件に合いそうなものがあれば、すかさずメールなどでご紹介を続けて行きました。

またその間も、お店には部屋を探す他のお客さんが来店しておりましたので、接客にも徐々に慣れ、ご案内の手順も何となく身に付いて行きます。

そんな生活が続いた1週間後、ついに先日のお客さんにぴったりの物件を、情報サイトにて発見。

慌ててメールを送ると、今夜にでも見たいとのことでした。

「これはもしや、初めての契約になるのでは・・・」そんな期待に胸を膨らませながら、お客様を物件に案内します。

真剣な表情で物件の内部を確認するお客さんに、「ここは駅まで近いですよ!」「日当たりも良いですし!」など必死でセールストークを展開しますが、あまり耳には入っていないご様子。

『ここは何か殺し文句を・・・』と頭を悩ませていると、お客から「ここに決めます!」とのお言葉を頂きます。

『オレ、何もセールスしてないのに・・・』と少々落ち込みながらも、お客様を事務所にお連れして、申込みの手続きを進めることにしました。

まずは管理会社に連絡して申込書を送ってもらうことにしますが、私の前にも案内した業者さんがおり、そちらにも申込書を送付済みであるとのこと。

そして先着順になるため、急いで送り返すよう指示されます。

なかなか届かない管理会社からのFAXをイライラしながら持ち、ゆっくり丁寧な文字で申込書に記入するお客さまの姿に焦りながらも、何とか一番手での申込みをGETすることが出来ました。

ちなみにこの時の経験から、お客さんが申込みの意思を固めた際には出先から管理会社に連絡を入れて、事前に申込書を送ってもらうように手配することにしています。

さて、こうして申し込みを終えたお客様でしたが、翌日には無事に審査をクリアー。

管理会社から送られて来た精算書をお渡しした上、契約日時の打ち合わせを完了し、私の初めての客付け業務は成功を収めることが出来ました。

この契約で受け取った仲介手数料は7万円。

もちろんこの売り上げがまるまる私の給料になる訳ではありませんが、7万という大金を1週間という短期間で、それも自分の力で稼いだ達成感はこれまでに味わったことのないものでした。

以来、様々な取引を重ねて参りましたが、初めての成約喜びは、今でも鮮やかに管理人の心の中で輝いていたりするのです。

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客付けまとめ

これが私が初めて経験した、賃貸の客付け業務の顛末となります。

まとめて流れを記すると、非常にスムーズに事が運んだ様にも見えますが、成約に至るまでには細かなトラブルを数多く経験していました。(些細なことなので本文では触れませんでしたが)

その一例を紹介すれば、

  • 案内しようとすると、物件の鍵が現地対応しておらず、隣町の管理会社まで鍵を取りに行く
  • 鍵は現地対応だが、キーボックス(鍵の保管器具)の開け方が判らない
  • お客さんを車で案内したが、物件が見付からずに迷子
  • 案内した物件の窓を開けっ放しで帰り、夜中に閉めに行く
  • 電気が点かないと思いっていたら、ブレーカーが上がっていないだけ
  • 業界用語が判らない(例/賃発【チンパツ】=賃料発生日など)

などなど、業界に居ないと全く知らないことも数多く、かなり当惑したのを憶えています。

また会社の先輩方についても、皆さん自分の売り上げを確保するのに手一杯で、新人を教育している時間などあるはずも無く、「習うより慣れろ」な業界の体質も身をもって知ることが出来ました。

本ブログを始める切っ掛けとなったのも、この経験から「これから業界に入る方に少しでも参考になれば」なんて想いもあったりする訳です。

今後も、私が不動産業界で経験したことを皆さんにお伝えするべく頑張って参ります。

ではこれにて、賃貸客付けの体験記を締め括らせて頂きたいと思います。