外壁のモルタル・サイディングを比較

 

注文住宅建物を建築する際や、建築条件付きの売地、未完成の建売物件を購入した際には、建物の外壁をサイディングにするべきか、モルタルにするべきか?という選択を迫られる場合があるかと思います。

『そもそもサイディングとモルタルって何?』という方もおられるかと思いますが、これは建物の外壁の工法を指す言葉であり、「サイディング」は耐水・防火性優れた板状の外壁材を貼った仕上げを指し、

「モルタル」はコンクリートと砂を練ったものを外壁に塗り付ける工法です。

一戸建てにおいては、このどちらもが非常にポピュラーな工法として知られており、それぞれに一長一短があるのが現実なのですが、建物を建てる以上はどちらかを選ばなければならない訳ですから、「家を買う、建てる側」となれば、ここは大い迷ってしまいますよね。

そこで本日は、外壁のモルタル・サイディングを比較し、どちらを選ぶべきかについて考えてみたいと思います。

では、モルタルとサイディングの知恵袋を開いてみましょう。

スポンサーリンク

 

サイディングの特徴

まずは板を貼り付ける工法のサイディングについての説明から始めたいと思います。

「板」とはいってもサイディングは、セメントや繊維質原料などをまるでクッキーの生地の様に練り上げ、高温の窯で焼き上げることで完成する耐水・防火性優れた外壁材です。

完成品は、レンガ調や石目調、木目調などの様々な柄や、彩色がなされた板状に仕上げられており、これを建物に貼り付けて外壁を構築していきます。

なお、一種類のサイディングのみを用いても、それなりの外観に仕上げることが出来ますが、通常は何種類か組み合わせることで、建物のデザインを作り出していくことになるでしょう。

また、柄や色以外にも「部材の厚み」によるクラス分けがなされており、14mm~18mmが一般的に用いられる厚みとなっているようです。

もちろん厚みのある方が丈夫で、性能が高いものが多いのですが、問題はそのお値段。

単価にすればそれ程の違いはないものの、これを建物の全面に貼るとなると、かなりの差額が発生してしまうのが現実です。

なお、デザイン性においても、厚いものであればある程に質感のクオリティーが向上する傾向にあり、薄い商品はタイル調・木目調と称していても、やはり「造り物」感が強い商品が多いでしょう。

実際の工事としては、建物に下地処理をした後、このサイディング材を隙間なく並べ、釘で打ち付けて行くと言う方法がとられます。

そして、サイディング材の間はコーキング(接着剤のようなもの)で埋められ、完成です。

こうした工法である故、隙間のコーキングは5年から10年で打ちかえされることが望ましいとされています。

但し、サイディング自体は非常に丈夫な素材となっていますから、20年経過程度を目安に張り替えか、サイディング材の塗装、または現在の外壁の上から更にサイディングをはる上張りするなどの工法で、メンテナンスを行うのが通常です。

基本的にはタイルなどを模した建材であるため、デザイン性が今ひとつなどと言われることが多いですが、厚みのある素材を使えばかなりオシャレな建物となりますし、一階と二階や、窓のまわりだけにアクセント的なサイディング材を用いるなど自在な貼り分けが可能ですから、見た目が悪いというイメージはあまり考える必要がないかもしれません。

スポンサーリンク

 

モルタルの特徴

これに対してモルタルは、建物に下地処理を終えた後、直接セメントを塗って行く工法となります。

モルタルの色(カラー)はある程度選択することが出来ますし、左官仕事の仕上げの際に敢えて表面に凹凸を残すことにより、模様を描くことも可能であり、デザインの部分でもそれなりの楽しみ方が可能です。

またこのモルタル仕上げは、サイディング材の様に部材を貼り付けるだけではなく、直接建物に塗り付け工法であるため「物件自体に高級感が出る」というのが最大のメリットと言えるでしょう。

なお、防水性のなどに関してもサイディングの建物と比べ、ほぼ同等の耐久性を有しています。

但し、あくまでもセメントを塗り付け作業となるため、モルタルの乾燥や建物自体の木が伸縮することにより、ヘアークラックと呼ばれる細い亀裂が入ることが少なくありません。

また、こうしたクラックが徐々に開いていけば、隙間から雨水が浸透してくるなどの被害を及ぼすこともあるのです。

こうした場合には、亀裂の入った箇所に「上塗り」をして補修するのが通常ですが、長年の劣化であまりにクラックが増えた際には、全体の洗浄と下地の補修を行い、最終的には全体の塗装をやり直してメンテナンスは完了となります。

基本的には、サイディングの張り替えなどよりは安価に補修が行えるケースが多いようですが、クラックを嫌いサイディングを選ぶ方も少なくありません。

 

どちらを選択するべきなのか?

このように、どちらも一長一短あるモルタルとサイディングによる外壁の仕上げですが、不動産屋さん的には選択に際して、以下のポイントにご注目頂ければと思います。

 

部材の品質

モルタルとは異なり、サイディングは大手の建材メーカーにて、工場で大量生産された資材が使用されます。

よって、サイディングには品質にバラつきがないのが特徴なのですが、モルタルは職人により現地で作られる(モルタルを練る)のが通常。

これにより、現場ごとに天候や季節の影響で、部材のクオリティーに差が出るのが現実です。

もちろん熟練した職人さんが、様々な状況判断の下でモルタルの調合を行っていれば問題はありませんが、経験値の足りない方が工事をする場合には注意が必要となるでしょう。

 

工事の簡単さ

また、工事の工程にもモルタルとサイディングには大きな差が出て来ます。

既製品のサイディング材を釘でバンバン張り付ける作業と、職人が手仕事でモルタルを塗って行くのですから、失敗が少ないのはやはりサイディングと言えるでしょう。

 

メンテナンスの簡便さ

サイディングの場合、漏水などが発生した際にはサイディングの割れや隙間、コーキングの劣化具合など、様々な原因が考えられます。

これに対してモルタルの主な雨漏りの原因はクラックということになりますから、工事の簡便さはモルタルに軍配が上りそうです。

但し、クラックが異常に多い場合などには全体の補修となってしまうので、この点には注意したいところです。

スポンサーリンク

 

モルタル・サイディング比較まとめ

上記のポイントを整理してみると、外壁で問題が生じる原因には、施工する職人の腕が大きく影響することがご理解出来るかと思います。

実は建売屋さん(住宅分譲をメインの仕事とする不動産業者)の多くは建物の外壁にサイディングを使用しているのですが、これは技術の未熟な大工さんが工事を行っても、事故に繋がる可能性が低いからというのが最大の理由です。

また、サイディングの方が『頻繁なメンテナンスが必要』とはされているものの、「メンテナンスを行わなくとも結構長持ちする」のが現実であり、モルタルと同じ程度のスパンで補修を行えば充分だと言うのが本音でしょう。

よって、余程信頼の置ける大工さんに頼むのでなければ、サイディングの方が安全(雨漏り等が発生する可能性が低い)というのが一般的な不動産屋さんの見方と言って差支えないかと思います。

一生に一度の買い物である「マイホーム」を長持ちさせるのに、絶対に無視できない外壁工事ですから、後になって後悔しないためにも賢い選択を行いたいものですよね。

ではこれにて、外壁のモルタル・サイディングを比較!の知恵袋を閉じさせて頂きたいと思います。