住宅ローン控除とは

 

マイホームを購入するにあたり、殆どの方が利用するのが「住宅ローン」となります。

過去記事「住宅ローンの基礎知識をお届け!」では、こちらの金融商品ならではメリット等について解説を行いましたが、実はもう一つ、住宅購入者の負担を軽減する特別な制度が設けられているのをご存じでしたでしょうか。

その制度の名は「住宅ローン控除」と呼ばれるものであり、ネットなどを検索すれば、この軽減措置の利用に関する様々な情報を得られるのですが、「読んではみたものの、今いち理解出来ない・・・」なんてお声もよく耳に致します。

そこで本日は「住宅ローン控除とは?適応条件や注意点を解説します!」と題して、その控除制度を兎に角わかりやすく、そして詳細にご説明して行くことに致しましょう。

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住宅ローン控除の概要

まず最初に、住宅ローン控除という優遇制度の概要からお話してみたいと思います。

この制度は住宅取得から10年の間に渡って、年末に残っているローンの残高に一定の割合(%)を掛けた金額を、所得から控除することが出来るという代物です。

つまり、給料で500万円の収入があり、住宅ローン控除額が40万円であった場合には、年収を460万円として所得税が課税されることとなり、節税効果が期待出来ることになります。

また実際に住宅ローン控除の適応を受ける場合には、購入した後に確定申告を行う必要がありますが、翌年以降は年末調整で控除を行えばOKです。

なお、ローン控除額の計算方法ですが、平成29年以降の購入であれば年末のローン残高に1%を掛けた金額(それ以前に購入された方の中には異なる割合のケースもあります)となり、この控除が10年に渡って可能となります。

この様に書くと、住宅ローン控除はマイホームさえ購入すれば誰でも当たり前に受けられる減税措置の様に感じられますが、実際には限度額や適応出来る物件の条件等に細かな規定が存在しているのです。

そこで次項では、新築・中古など物件の種類別に適応条件や控除可能額についてご説明して参ります。

 

住宅ローン控除適応の条件

では早速、新築や中古などケースごとにローン控除のお話をさせて頂きたましょう。

 

新築物件(新築建売や新築分譲マンション)

住宅ローン控除が適応される新築物件の条件は下記の通りとなります。

  • 公簿の床面積(登記簿上の面積)が50㎡以上
  • 購入後6ヶ月以内に入居し、その年の年末まで住んでいること
  • 床面積の50%以上が住居であること(店舗などが50%以上を占めてはいけない)
  • ローンを組んだ人の年収が3000万円以下であること
  • 借入期間が10年以上であること

なお、新築物件で1年に適用できる控除額の限界は40万円となっていますから、10年間で400万円が最大となります。

例えば購入した年の年末に4000万円の残債があれば、この年の控除額は4000万円×1%=40万円という計算です。

そして翌年末の残債が3800万円まで減っていれば、3800万円×1%=38万円の控除を受けられることになります。

こうして毎年同じことを繰り返し、10年目の年末の残債が2000万円であれば、2000万円×1%=20万円の控除をもって、住宅ローン控除の適応が終了することになるのです。

また、ここまでご紹介した控除は一般住宅が対象となりますが、購入した物件が「認定長期優良住宅」や「認定低炭素住宅」という特殊な建物となっている場合については、最大控除額が1年につき50万円、10年で最大500万円に増額されます。

 

中古住宅

続いて中古住宅でのケースをご紹介致しますが、適用条件は新築住宅の際に解説したものと同様となります。(床面積50㎡以上、50%以上が住居である等)

但し中古住宅の場合には、更に下記の条件も付加される点に注意が必要です。

  • 築年数が20年以内
  • 築20年以上の非耐火建築物(木造等)については、耐震基準適合証明や住宅性能評価等を受けていること(マンション等の耐火建築物は25年以上)
  • 過去に誰かが住んでいた物件であること
  • 売主が親族であったり、贈与で受け取った物件でないこと

そして控除可能額についても、中古物件は気を付ける点があります。

それは物件の売主が「不動産業者であるか」、「一般の方であるか」によって控除額の上限が変わって来るという点です。

売主が不動産業者の場合は、新築の場合同様、一般の住宅で年間最大40万円、10年で400万円、認定住宅で年間50万円、10年で500万円となります。

ところが一般の方が売主の場合には、一般住宅で年間最大20万円、10年で200万円、認定住宅のケースでも年間30万円、10年で300万円となってしまうのです。

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リフォームの場合

さて、この住宅ローン控除ですが、実は自宅のリフォームや増改築にも利用出来る場合があります。

利用出来る条件は、購入した際と同様に床面積50㎡以上であることに加え、100万円以上の経費の掛かった一定規模の工事であることが必要です。

なお控除額についてはローン残高×1%の年間最大40万円、10年で400万円という新築と同じ基準が適用されます。

 

また一方で、自宅をバリアフリーに改築したり、太陽光発電システムなどを導入する工事については、これとは別途のローン控除制度が存在。

バリアフリー・太陽光発電共に250万円までのローン残高を限度に、2%を掛けた金額を5年に渡って控除することが可能です。

但し、バリアフリー・太陽光発電の工事のみを単体で施行するケースは少ないでしょうから、太陽光等の工事を含めた1000万円までの工事費用を控除対象とし、

一般の工事(屋根の葺き替え、外壁工事等)に関しては1%の掛け率にて控除額を計算するルールとなります。

よってこの方式では、最大限に控除を利用した場合でもバリアフリー・太陽光発電(250万円×2%)+その他工事(750万円×1%)=年間12.5万円の控除、5年で62.5万円が限度額です。

 

因みに、本項でご紹介した「通常のリフォームローン控除」と「バリアフリー・太陽光発電のローン控除」は、利用者がどちらを適用するか選択出来ることになっています。

 

こんな場合は住宅ローン控除利用不可

さて、前項にて住宅ローン控除の細かな条件等をご説明して参りましたが、実は他にも控除の適応が受けられないケースが存在します。

不動産取引を行っていると、時折こうしたパターンを見掛けますので、本項では陥りやすいローン控除適応不可の例を見ていきましょう。

 

3000万円の譲渡所得控除との併用

既にマイホームを保有しており、その物件の売却にあたって3000万円の所得控除の特例を利用してしまうと、次に買う物件にて住宅ローン控除の適応を受けることが出来ません。

但し、やり方を工夫することで3000万円控除とローン控除を併用することも不可能ではありませんので、ご興味がある方は別記事「住宅ローン控除と3000万円控除を同時に受ける裏技をお教えします!」をご参照下さい。

なお、買い替えを行った際に未だローン控除の利用中(10年以内の期間中)で、ローン控除を中止して3000万円控除を利用したいという場合には、これまで受けて来たローン控除に対して修正申告を行うことで、3000万円の譲渡所得控除が利用可能となります。

 

マイホームを購入したのに転勤を命じられた

「住宅ローン控除の適応の条件」の中でもお話した通り、「購入後6ヶ月以内に入居し、その年の年末まで住んでいること」は、この制度を利用する重要な要件の一つとなっています。

しかしながらマイホームを購入したものの、会社に転勤を命じられた場合には、その物件に住み続けることが出来なくなってしまいますよね。

実はこれまで、こうしたケースではローン控除を諦めざるを得なかったのですが、平成28年に法改正が行われ、状況次第では控除の適応を受けることが出来る様になったのです。

なお控除の適用を認めてもらうには、勤務先から転勤を命じられる等の「やむ得ない事情」が必要となりますが、家族全員が住めない場合に加え、単身赴任で本人だけが住めない場合でも適用の対象となります。

 

中古住宅で耐震基準適合証明書等が入手出来ない

中古住宅の場合、木造で築20年以上、マンションなら築25年以上の物件については、住宅ローン控除の利用に際して、耐震基準適合証明書等が必要である旨を解説致しました。

しかしながら、この耐震基準適合証明書の取得に当たっては、実は少々厄介な問題が存在しています。

そもそも耐震基準適合証明とは、建築士や行政が指定する検査機関が発行する「建物が現在の耐震基準をクリアーしていることを証明する書類」となりますが、その取得には、現地調査や書類の審査が必要です。

また、物件の購入者が住宅ローン控除を利用するには、売主の申請による耐震基準適合証明書が必須となりますから、これを知らずに建物の引渡しが先行してしまうと、この時点で控除が受けられなくなってしまいます。

更には、売主が耐震基準適合証明の取得に必要な調査に協力してくれないケースや、調査を受けてみたら、大規模なリフォームを行わないと耐震基準適合証明が発行出来ないことが発覚するパターンなど、様々なトラブルが現実に発生しているのです。

こうしたトラブルを避けるためにも、売買契約を締結する前に売主や仲介業者と綿密な打ち合わせを行っておくことが重要でしょう。

 

住宅ローン控除の申告を忘れた

こちらも記事の冒頭でご説明しましたが、ローン控除の適応には確定申告を行うことが必須となります。

そして申告を忘れれば、当然控除は受けられないことになりますが、ここで諦めるのは早過ぎるのです。

実は税務署に嘆願書を提出することによって、時折、申告を忘れた場合でも住宅ローン控除の適応が許可されることがあります。

但し、これはあくまでも税務署の温情的な配慮によるものですから、万が一の際には、ダメ元でチャレンジしてみるしかありません。

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住宅ローン控除まとめ

さてここまで、住宅ローン控除についての解説を行って参りました。

住宅購入者なら誰でも気軽に受けられる税制優遇といったイメージのあるこの制度ですが、掘り下げてみるとなかなか奥深いものがありますよね。

マイホームが一生に一度の大切なお買い物であるとすれば、住宅ローン控除も一生に一度の大切な税制優遇制度ということになります。

正しい知識を身に付け、そのメリットを存分に味わえる様にしておきたいものです。

ではこれにて、「住宅ローン控除とは?適応条件や注意点を解説します!」の記事を締め括らせて頂きたいと思います。