不動産売買の固定資産税等精算

 

不動産の売買においては、普段、私たちの生活の中であまり経験しないイベントや手続きが数多く存在します。

以前、本ブログでは不動産売買の流れについてご説明を致しましたが、この記事に関して「より具体的な諸費用のやり取りなどについても、詳しい解説が欲しい」とのご要望を頂いておりました。

そこで今回は、決済の場において売主・買主間で受け渡しされる不動産売買固定資産税等の精算金に関する知恵袋をお届けしたいと思います。

なお本記事では、仲介手数料や住宅ローン手数料など、不動産業者・銀行に支払う費用及び、契約書に貼る印紙などについては触れないものとさせて頂きます。

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売買における売主・買主間の精算金

一言で不動産の売買といっても、その取引の形態には実に様々なパターンがあります。

もちろん『物件を売って、買ってもらう』という本筋の部分に変わりはありませんが、「物件が共有名義になっている」、「自宅の一部が賃貸中だ」、「任意売却で手放さざるを得ない」など、個々の取引には一つ一つ異なる事情や背景が存在し、

10年以上不動産業に従事している私でも、「全く同じパターンの取引」は一度たりとも経験していないのですから、何とも厄介なお仕事です。

そして状況が異なれば、その度に授受される精算金の種類も異なって来るものですが、登場頻度が非常に高い精算金と言えば、

  • 固定資産税・都市計画税(全物件共通)
  • 管理費・修繕費(分譲マンションの場合)
  • 賃料・敷金(投資物件の場合)

などが主なものになろうかと思います。

なお、上記一覧を見ればお気付きかとは思いますが、物件の種別によって精算される金銭の内容はかなり異なって来るもの。

そこで次項では、物件の種類ごとに受け渡しされる精算金の性質や支払方法についてお話してい来たいと思います。

※電気・ガス・水道等の精算金については、それぞれの供給会社にて日割りの精算が可能となりますので、今回は省略させて下さい。

 

全物件共通

全ての物件に共通して精算しなければならないのが、固定資産税・都市計画税の精算金です。

土地でも建物でも不動産と名が付くものの殆どは、地方税である固定資産税・都市計画税の課税対象となっており、所有者は毎年これらの税金を支払うこととなっています。

また、税金の支払義務があるのはその年の1月1日に、登記簿謄本において所有者として記載されている者ということになりますから、物件を何時引き渡しても売主の下に税金の請求が来てしまうことになるのです。(固定資産税の詳細は「固定資産税の計算方法や課税の仕組みについて解説致します!」の記事をご参照下さい)

そこで不動産売買においては、物件引き渡し時に、1年分の固定資産税・都市計画税を日割りで精算するのが慣例となっています。

税額については、春先に売主の手元に納付書が届けられますし、4月1日以降なら役所で公課証明などを取得することで確認することが出来ますが、問題となるのは1月~3月末に行われる物件の引き渡しです。

この期間は、その年に掛かる固定資産税・都市計画税の税額を知る術がありません。

こうした場合には、

  1. 一端前年の税額で精算し、後日税額が確定した段階で再精算する。
  2. 売主・買主合意の上、前年の税額を精算額とし、税額に差があっても互いに異議を申し立てない取り決めを行う。

というどちらかのパターンで処理されることとなります。

 

また、新築の建物についても、少々独特な処理の方法が執られます。

引渡しの年の1月1日に建築中の物件は、非課税となりますから、このパターンの場合には建物の税金精算は不要です。

但し、税金の支払いを逃れるため、完成しているのに故意に登記を行っていない場合には課税対象となってしまうこともあり、こうしたケースで4月までに引渡しを行う場合には、

  1. 予想に基ずく税額で精算を行い、税額確定後改めて精算する。
  2. 引渡し時には精算を行わず、税額確定を待ってから精算を行う。

以上のどちらかのパターンで処理されることとなります。

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分譲マンション

分譲マンションの売買においては固定資産税・都市計画税に加え、月々支払わなければならない管理費・修繕費等を決済時に日割り精算しなければなりません。

毎月支払うべきものですし、金額も固定されているので特に問題はないように思われますが、ここにも問題は存在します。

まず注意する必要があるのは、所有者が管理費・修繕費等を自動引き落としにしている場合であり、決済日よりかなり早めに引き落としの停止依頼をしなければ二重払いが発生する可能性があります。

また、管理会社によっては2ヶ月分、3ヶ月分とまとめて引き落としている場合もありますから、こうしたケースでは更に厄介なことになるでしょう。

こうしたトラブルを回避するには、売買前に管理会社の引き落としシステムの詳細を確認しておくことが必要ですし、買い手側のローン特約都合などで早めの手続きが行い場合には、決済時に2ヶ月分、3ヶ月分の費用をまとめて精算しておくのがベターです。

なお管理費等の他にも、ルーフバルコニーやアルコープの専用使用料などを精算しなければならい物件もあるでしょう。

そして、最も厄介なのが売主が管理費や修繕積立金等を滞納しているケースです。

通常は売買代金などで滞納分を精算する方法が執られますが、遅延損害金などが定められている場合もありますから、こちらも管理会社と事前打ち合わせをしておきましょう。

 

収益物件

不動産投資における収益物件においては、固定資産税等に加えて、賃料や敷金の精算を行う必要があります。

また、分譲マンションで賃貸中の物件(オーナーチェンジ物件)を買うとなれば、更にここに管理費・修繕費の精算が追加されますから、最も精算金の種類が多い取引となるはずです。

 

賃料

賃料については引渡し日で日割り精算をすることとなりますが、問題となるのが滞納者が居た場合の処理です。

出来ることならば、引渡し日までに滞納者からの徴収を済ませたいところですが、不可能な際は、買主と相談の上、処理方法を決定することとなります。

 

敷金

敷金については、あくまでも入居者からオーナーが預かっている金員となりますから、売買の際には売主から買主にそのままスライドされる金銭となります。

しかしながら、実際に敷金の受け渡しを行うことは少なく、売買代金から敷金分を差し引いて決済を行うのが通常です。

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不動産売買の固定資産税等精算まとめ

さてここまで、不動産売買の決済の場において精算する金員について解説して参りました。

不動産は生活の場となりますから、売り買いの際には様々な精算金が発生することがご理解頂けたことと思います。

また、債権絡みの案件や相続案件では、こうした精算金を巡って後々揉め事に発展するケースもありますから、しっかりとした処理を行いたいものです。

ではこれにて、「不動産売買の固定資産税等精算について」の知恵袋を閉じさせて頂きたいと思います!