マイホーム共有名義のデメリット・メリット

 

マイホームの購入は、結婚や出産に連なる人生のビッグイベントであるはずです。

今なお日本では、「家を持って一人前」という見方をされる傾向もありますし、『住宅購入を切っ掛けにより一層仕事に精進するようになった』という方も多い様ですから、日本人にとって住宅の購入は単に「資産を持つ」という以上に、様々な意味を有するのは確かでしょう。

さて、実際に不動産を買うとなると問題になって来るのが「資金の出所」ということになりますが、旦那さん一人でローンを組みきれないという方も多いはずですし、夫婦の家ということで、少しは資金を提供したいと考える奥様も多いことと思います。

こうした場合、物件の権利関係は夫婦の「共有」という扱いになりますが、「果たしてこうした購入の仕方で、後々問題が生じることは無いのだろうか」と不安になる方も居られるはずです。

そこで本日は、「マイホーム共有名義のデメリット・メリットを解説します!」と題して、住宅の共同購入についてお話してみたいと思います。

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共有名義での購入

さて、具体的な共有のメリット・デメリットをご紹介する前に、まずは「共同名義での物件購入とは一体どのような取引形態となるのか」という点から解説してみましょう。

ご存じの通り、不動産の売買は売主に売買代金を支払い、買主に所有権の移転登記を行うことで取引が完了します。

そして共有名義で物件を購入するということは、本来100%である所有権を「70%・30%」、「80%・20%」といって具合に、異なる人間に分割して移転することになるのです。(これを「持分」と呼びます)

よって共有名義で物件を購入する際には、売買契約にも共有で購入する旨を記する必要がありますから、事前に夫婦間で協議しておく必要があります。

また、それぞれの買主が取得する持分についても、自由に取り決めることが出来る訳ではなく、実際に購入資金をどれだけ負担したかによってその割合が変わって来るのです。

なお、実際に負担した資金以上の持分を取得した場合には、後々「贈与」として扱われる可能性もありますから、注意が必要でしょう。

因みに、誰がいくら購入資金を負担するかについては、売買契約時に取り決めておく必要はなく、決済(引渡し)前までに登記を担当する司法書士に、負担する金額と希望する持分を伝えておけば問題はありません。

 

共有名義のメリット

では、実際に共有でのマイホーム購入の利点を見て行きましょう。

 

夫婦それぞれが住宅ローン減税を受けられる

我が国では、住宅の供給を促進するための「住宅ローン控除」という制度が存在しています。

そしてこの制度は、住宅ローンを利用している人間一人一人に適応されるものとなっていますので、夫婦が各々ローンを組んだ場合には、それぞれが控除の恩恵に預かることが出来るのです。

なお現在の税制では、最大10年間で400万円の減税が受けられるますから、夫婦二人ならば800万円の減税効果が見込めることとなります。(平成29年現在)

これは見逃せない利点となりますよね。

 

売却時も有利に

そしてもう一点有利になるのが、住宅を売却する際の税制優遇についてです。

不動産売却時の減税措置には様々な種類がありますが、その中でも非常に効果が大きいとされるのがマイホームを売却する際に生じた所得に対して、最大3000万円の控除を受けることが出来る制度となります。

実はこの制度についても、持分を持つ者にそれぞれ適応されることになりますから、夫婦二人で売却するなら控除の上限は2倍の6000万円にも達するのです。

都心の一等地などに物件をお持ちの方にとっては、これは非常に嬉しいメリットとなることでしょう。

 

相続税対策に

旦那さんが一人で所有権を保有している場合、旦那さんが亡くなれば、当然ながら資産全てが相続税の課税対象となってしまいます。

これに対して、所有権を共有していれば、あくまでも亡くなった方が持っていた持分のみが課税対象となりますから、地価の高いエリアなどでは有効な相続税対策となるはずです。

 

勝手な借入を抑止出来る

不動産の実務をこなしていると、家の持ち主である旦那さんが勝手に自宅を担保に入れて、借金を重ねていたなんて事例に遭遇することも少なくありません。

その点、共有名義になっていれば、こうした裏切りを受けても自宅を守ることが出来ますから、パートナーの金銭面が今一つ信用出来ないという方には、見逃せない利点となるでしょう。

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共有名義のデメリット

マイホームの共同購入のメリットに続いて、ここからは共有名義の問題点をご紹介して行きます。

 

自由な売却が出来ない

ここまでお話して来た様に、共有名義は売却時に大きなメリットをもたらしますが、その反面デメリットも付いて回ります。

例えば売却などに際して、共有者の一人がこれに同意しければ、売買は不成立となり売却は不可能となってしまうでしょう。

こんなお話をすると「夫婦仲が良いからそんな心配はない」と思われるかもしれませんが、例え仲睦まじい夫婦でも売却金額にパートナーが納得せず、契約が出来ないケースが現実にありますから、この点には注意が必要となります。

 

離婚の際に面倒

どんなに努力をしていても、夫婦には時として離婚をせざる得ない状況となることもあるでしょう。

こうした場合、共有財産があると何かとトラブルに発展するものです。

均等に財産を分けるにしても、前項の様に両者の合意が無ければ売却して現金化することは出来ませんし、顔も見たくない相手と売買の手続きを進めて行くのは精神的にもしんどいことでしょう。

最悪のケースも充分に想定した上で、共同名義を選択するべきです。

 

相続発生時にトラブルになることも

これまたメリットの裏返しとなりますが、相続発生時に共同名義がトラブルに発展するケースも少なくありません。

例えば、自宅について1/2ずつ持分を持つ夫婦の旦那さんが亡くなり、相続対象の持分を奥様と子供が相続したとします。

その後、子供が亡くなり、亡くなった子供の妻が相続人となるような事態が発生すると、問題は少々厄介な方向に進んで行く可能性が出てきますよね。

また、共有名義となる夫婦にそれぞれ離婚歴があり、連れ子がいると更に問題は深刻です。

例え二人が結婚していても、連れ子に対して養子縁組をしていなければ、その子供には相続権は発生しませんから、亡くなった夫婦どちらかの親兄弟が持分を相続する事態は充分に考えられますし、過去に離婚した相手との間に別の子供が居れば、その子にも相続権が発生することになるでしょう。

 

固定資産税の按分が面倒

共有名義で物件を保有していても、固定資産税を徴収する行政は、どちらか一方にしか固定資産税の請求を行わないのが普通です。

「それくらい一人で負担するよ!」とも思われるかもしれませんが、固定資産税が高額なエリアであれば、この一方負担を贈与とみなされてしまう可能性もありますから、この点にも注意が必要でしょう。

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マイホーム共有の利点・問題点まとめ

この様に、マイホームを共有名義で購入する際には様々なメリット・デメリットが付き纏うのが現実です。

悪い方にばかり考えれば、共有にしないのがベストなのでしょうが、共有名義によるメリットは非常に大きいので、ここは頭を悩まされますよね。

不動産屋さん的な目線としては、夫婦関係に少しでも不安がある場合には、共有名義での物件購入を控えるのがおすすめです。

但し、資金計画の関係上、どうしても共有とせざるを得ない方も多いでしょうから、こうした場合には一か八か勝負に出てみるしかありません。

また、マイホームの共有が離婚の歯止めになったというお話も耳にしたこともありますから、自分への戒めとして共有名義にしてみるのも一つの方法と言えるでしょう。

何はともあれ、自宅の購入は人生の一大イベントですから、後悔の無い様に熟慮した上での判断をおすすめ致します。

ではこれにて、「マイホーム共有名義のデメリット・メリットを解説します!」の知恵袋を閉じさせて頂きたいと思います。