瑕疵担保責任

 

マイホームの購入・売却から、収益物件の購入に至るまで、不動産の取引を行う際に「最も注意を払わなければならない事項」の一つに挙げられるのが、瑕疵担保責任に関する事項です。

瑕疵担保とは、物件に隠れた見えない傷を意味する言葉であり、雨漏りや柱の腐食などがこれに当たります。

当然、契約上は「相当期間は売主がその責任を負う」という取り決めになっていることが殆どですが、買ったばかりのマイホームでのトラブルは忌むべきことでしょうし、売却した方にとっても非常に心を悩ませる問題となるのは確実です。

そこで本日は、瑕疵担保責任を巡る諸問題や、瑕疵となりうるトラブルの種類などについて解説してみたいと思います。

では早速、瑕疵担保責任について考えてみます!の知恵袋を開いてみましょう。

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瑕疵担保を巡る諸問題

瑕疵担保の意味については、既に冒頭にて触れましたが、簡単に申せば「物件にある隠れた傷」ということになります。

その言葉の意味通り、見えない所に潜む問題となりますから、例えそこに住んでいた売主でも発見が困難なケースも多く、引渡し後に瑕疵が発見されれば、売主・買主立会いの元、状況の確認を行い、その後の補修工事や損害の賠償などについて話し合いを進めて行くことになるでしょう。

なお中古物件の場合ですと、引渡しの日から3ヶ月~6ヶ月程度は、瑕疵担保責任を負うとする契約書が一般的ですから、この期間内に問題が発覚すれば、売主はその責任を逃れることは出来ないということになります。

但し、あまりに古い建物が売買対象の場合には、売主からの希望で「瑕疵担保責任免責」が契約条件となることも少なくありませんので、この点には注意が必要でしょう。

 

新築の場合

この様にご説明すると「瑕疵担保はまるで中古住宅のみの問題」であるように思われるかもしれませんが、例え新築であっても雨漏りなどが発生する可能性は充分にあります。

そして新築住宅の場合には、売主が不動産業者であることが前提となりますから、瑕疵担保責任については中古住宅以上に厳しい条件が付加されることとなるのです。

こうした新築住宅に関する瑕疵担保のルールは、平成11年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により定められたものであり、雨漏りや、建物の基礎・骨組みといった重要な箇所に生じた瑕疵に関しては、引渡し後10年間は売主が責任を負うことになっています。

但し、新築においても表記の建物の重要な部分以外に関しては、2年間のみ売主が責任を負うのが通常です。

 

瑕疵と認められない場合

そしてもう一点ご注意頂きたいのが、全ての「物件の傷」が瑕疵にあたるとは限らないということです。

例えば、売主が故意に「物件の問題」を隠して売買を行った場合には、これは瑕疵担保とはならず、単なる損害賠償事案となりますので、契約書の瑕疵担保の期間設定は適用されないことになります。

また反対に、売主が契約の際に「物件の問題」を告知していれば、これも瑕疵担保の範囲からは除外されますので、引渡し後の責任追及は行えないこととなるのです。

更には、「契約時に発生していなかった問題」も瑕疵担保の対象外となりますから、引渡し後に新たに生じた雨漏りなどは「売主からの保証を受けることは出来ない」のです。

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瑕疵担保となる事項一覧

さて、瑕疵担保責任に関しておおよその知識を付けて頂いたところで、具体的な瑕疵の事例をご紹介して参りましょう。

 

雨漏り

非常に発生するケースが多いのが、こちらの雨漏りによる瑕疵となります。

「雨漏りなんて住んでいれば判るだろう」と思われるかもしれませんが、屋根と天井の間には大量の断熱材が入っている場合もあり、発見が遅れることも少なくありません。

見えない部分での問題ですから、内覧での発見は困難であるとは思いますが、「建物の外壁にヒビ割れがないか?」、「室内の天井の隅々(収納の中も含む)を確認する」等の対策で事前に発見出来ることもありますから、ご購入・売却に際しては是非入念なチェックを心掛けたいところです。

 

シロアリ

こちらも非常に問題となることが多い瑕疵担保の事例です。

新築住宅の場合は、シロアリに関して一定の保証期間が定められているのが殆どですから、あまり心配する必要はありませんが、中古住宅の場合には大いに注意が必要です。

詳しくは過去記事「不動産とシロアリという問題について考えてみます!」にて書いておりますが、築年数の古い物件については、床下のチェックを行ったり、専門家の判定を受けてから取引を行うのが望ましいでしょう。

 

土地に関する問題

これまでのお話から、「瑕疵担保は建物に関するものが主」という印象をお持ちかもしれませんが、土地自体に問題があるというケースも少なくありません。

地中に埋まっているコンクリートの瓦礫や、掘ると湧き出す地下水、お隣のお宅の水道や下水の配管が越境しているなどの問題も、瑕疵案件として取り扱われることが多々あります。

詳しくは、「地中埋設物の瑕疵について考えてみます!」という記事にて書いておりますので、こちらも合わせてお読み下さい。

 

心理的瑕疵

また、全ての瑕疵が目に見える欠陥であるとは限りません。

例えば、過去に自殺などがあった事故物件や、暴力組織の組事務所が隣にあるなど、心理的な問題を引き起こす事案も瑕疵の対象となる場合があります。

詳しくは過去記事「不動産の嫌悪施設についてお話してみます!」「事故物件の告知義務と、不動産投資での活用法!」などをご参照下さい。

なお、心理的な瑕疵については、受け取る側の心も問題も大きく影響して来ますので、瑕疵に当たるかの判定が非常に難しいのが実情でしょう。

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瑕疵担保まとめ

さてここまで、不動産の取引における瑕疵担保の問題についてお話して参りました。

マイホームの購入は多くの方にとって、一生に一度の大きな買い物となりますから、売る側も買う側も出来る限りの注意を払い、瑕疵トラブルを回避したいものです。

因みに物件の購入に際しては、仲介に入る不動産屋さんを精査することでトラブル回避の確率を高めることが出来るはずですし、近年では物件調査を請け負うビジネスも盛況とのことですから、こうしたサービスを利用するのも有効な対策となるでしょう。

また自宅の売却に際しては、少しでも物件に関して気になることがあれば、仲介業者に全てを打ち明けることと、最近人気を博している瑕疵保険に加入することで、瑕疵に関する後顧の憂いを断つことが出来るでしょう。(詳細は過去記事「中古戸建て購入の注意点について!」を参照)

なお、分譲マンションの場合には、瑕疵が発生しうる箇所の多くが共用部分となっているため、問題発生件数が非常に少ないのが特徴となりますから、瑕疵トラブルを避けたという方にはおすすめかもしれません。

ではこれにて、「瑕疵担保責任について考えてみます!」の知恵袋を閉じさせて頂きたいと思います。