地中埋設物の瑕疵

 

不動産の取引を行うにあたり、売主・買主共に最も注意しなければならないのが、物件の瑕疵(隠れた物件の傷・欠点)についての問題です。

購入したばかりの物件に雨漏りやシロアリの被害があれば、買主としては非常に頭を悩ますことになるでしょうし、売主にしても「損害を賠償しろ!」なんてことになれば、とても穏やかな日々など送ることが出来なくなってしまいますよね。

本ブログでは以前に、「瑕疵担保責任について考えてみます!」という記事にて、どのような場合が瑕疵にあたるかについて解説させて頂きましたが、その中でも特に注意が必要とされているのが地中埋設物に係る瑕疵の問題です。

雨漏りやシロアリならば、物件を注意深く観察することや、専門家に調査を依頼することで、事前の発見が可能になりますが、地面に埋まっているものは透視能力でもない限り、見付けることは困難でしょう。

しかしながら、「判る訳がない!」と開き直る訳には行かないのが瑕疵担保ですから、今回の記事にて地中埋設物に関する瑕疵への理解を深めて頂ければと思います。

では、地中埋設物の瑕疵について考える知恵袋を開いてみましょう。

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様々な地中埋設物

一言に地中埋設物といっても、様々な種類が存在し、その発見方法や対策も異なるものとなります。

そこで今回は、埋設物の種類ごとに詳細をご説明して参りましょう。

 

配 管

過去記事「地中配管調査の方法について!」にて詳しく説明しておりますので、簡単な解説とさせて頂きますが、地中には水道管やガス管、下水管などが埋設されているものです。

これが公道の中を通過している分には全く問題とならないのですが、購入した土地の地下をお隣の家の配管などが通過していれば大問題となります。

基本的には配管工事を行い、土地を通過しない経路に作り直す必要がありますが、当然費用が掛かりますし、物件の配置によっては工事自体が不可能な場合の少なくないのです。

水道・ガスなどに関しては、水道局やガス会社に詳細な図面が残っていることも多く、事前の調査で回避が可能ですが、下水に関しては一切図面が残されていないのが通常ですから、トラブルの件数も非常に多いのが実情です。

敷地内に用途の判らない枡があれば、色水などを流し、何処のお宅から排水が流れ込んでいるかの調査を行うべきでしょう。

 

古い基礎、コンクリートガラ、自然石等

地中埋設物と聞くと、一般の方が最もイメージしがちなのがこちらのケースかと思います。

コンクリートガラという言葉には馴染みがないかもしれませんが、簡単に言えば「瓦礫」のことを指します。

古い基礎については、以前に建っていた建物の一部であることは明確ですが、このガラなどについては何故地面に瓦礫が埋まっているのか疑問に思う方も多いでしょう。

通常は、以前の建物を壊した際に撤去し忘れた瓦礫であることが殆どですが、時には廃棄物処分の費用を惜しんでそのまま土地に埋めてしまっているというケースも意外に多くあります。

また、元々が池や沼、水田などであった土地では、埋め立てに廃棄物が使用されていた時代もありますから注意が必要です。

瓦礫といっても、大きなものになれば大きさが1mを超えるようなものも珍しくありませんし、古い基礎も頑丈に配筋が組まれたものなどですと、撤去に法外な費用が掛かる上、工事の騒音・振動も激しいものになるでしょう。

なお、時には地中から自然石がゴロゴロ出て来ることもありますし、私の知り合いには大量の墓石が出土して、頭を悩ませていた方もおります。

基本的には瑕疵担保として撤去費用を売主が負担することになりますが、事前にトラブルを回避したい場合には土地の履歴を注意深く調査する必要があるでしょう。

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浄化槽

こちらも意外に埋まっていることの多い埋設物となります。

浄化槽は水洗トイレが行き渡る以前に、汚水を処理するために使用されていたタンクであり、小さいものであれば数万円の費用で撤去が可能でしょう。

但し、大型の物が出て来ると、それなりの撤去費用が掛かりますから注意が必要です。

 

井 戸

「井戸があるなら気が付くのでは?」と思われるかもしれませんが、昔使用していた井戸をそのまま埋めてしまっているというケースは意外に多いものです。

因みに私は、こうした埋設井戸にこれまで3回も遭遇しています。

基本的には重機で枠を壊して、埋め立ててしまえば問題はないのですが、「井戸を埋めると祟りがある」などの言い伝えがありますので、問題は心理的な瑕疵ということになるでしょう。

撤去の詳細については過去記事「井戸やお稲荷さんの撤去について考えます!」で記させてもらいましたが、問題解決には買主の心の問題がキーポイントとなるはずです。

 

ブロック塀の基礎

ブロック塀は地上にあるものですが、その土台となる基礎は地中に埋まっているのが通常です。

また地上に出ている部分はしっかり境界内に収まっていても、倒壊防止のため地下で大きく羽を広げていることも少なくありませんので、ここで越境の問題(地中越境)が生じることになります。

もちろん、飛び出している部分のみをコンクリートカッターなどで切ってしまうことも可能ですが、塀自体が古い場合は倒壊の危険がありますので、全てのケースで行える対策ではありません。

配管の越境などに比べて実害は少ないのですが、買い手が細かいタイプの方ですと、「一度古いブロック塀を撤去して、新しい塀を新設して欲しい」といった要望が出ることもありますので、売却前に越境状況をしっかりと確認し、

カットが難しい場合には、隣地と互いにこれを承諾する旨の覚書を交わし、買い手に対して売買契約の容認事項として説明しておくのがベストな対応となるでしょう。

 

地下水

こちらは埋設物とは少々性質が異なるものですが、住宅を建てようと地面を掘ってみたら、地下水が湧き出して来たと言うパターンも意外にあるものです。

他の埋設物とは異なり、撤去する訳には行きませんので、建物の基礎を完全防水とする工事をするか、24時間ポンプで排水する機工を備えた家造りが必要となります。

但し、こうした工事にはそれなりに高額な費用が発生するため、売主・買主間の揉め事に発展するケースも少なくありません。

なお私は、この地下水で一度痛い目に遭っており、その時の経緯を体験記として「土地と地下水に関するトラブル体験記をお届け!」という記事にて書いておりますので、気になる方はそちらをご参照ください。

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地中埋設物まとめ

さて、ここまで地中埋設物による瑕疵について考えて参りました。

一言で地中埋設物といっても様々なケースと、状況に応じた対応法があるのをご理解頂けたことと思います。

地中埋設物については、取引の仲介に入る不動産業者もそれなりに注意を払ってくれるとは思いますが、業者ごとのレベルの差も存在しますし、実際に問題が発生した場合に、頭を悩ますのは取引の当事者の本人となる訳ですから、決して人任せには出来ませんよね。

なお、先代から土地を引き継がれた売主さんであれば、昔のことを知る方に聞き込みを行ったり、買主であれば図書館で昔の地図を調べるなど、意外に出来ることは多いものですから、出来る限りのことはしておきましょう。

ではこれにて、「地中埋設物の瑕疵について考えてみます!」の知恵袋を閉じさせて頂きたいと思います。