不動産売買契約書の作り方

 

前回、「不動産契約書作成のポイントを解説!」という記事において、売買契約の作成ポイントをご紹介させて頂きました。

しかしながらページの都合により、その全てを記することが出来ず、一旦知恵袋を閉じてしまいましたので、本日はその続きをお届けしたいと思います。

では「不動産売買契約書の作り方について」の解説を再開しましょう。

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売買契約書内容解説!

⑧物件の滅失による解除

売主・買主の責任によらない火災や自然災害などにより、物件の引き渡しが困難になってしまった場合の解除条項となります。

この条項でのポイントは、売主・買主互いに損害賠償の請求が出来ないという点と、該当する事態が発生した場合には手付の即時返還が行われることになるでしょう。

なお、契約書作成時には他の解除条項と同様、売主・買主共に解除権を設定しておくのが賢明です。

また建売屋さんが売り主の場合などには、「修復が可能な場合には、売主は修繕を行い引き渡すものとし、買主は解除することが出来ない」などの文言が付加される場合もありますが、現在の法解釈では認められない可能性が高いと思います。

 

⑨債務不履行による解除

解除に関する条項が続きますが、今度は「債務不履行」、つまり約束違反に関する条項です。

契約したにも係らず、「買主が期日までの残代金を支払わない」、「売主が物件を約束通りの状態で引き渡さない」といった事態に対応するための文言となります。

違約金の額を定めることとなりますが、ひと昔前なら売買代金の20%が通常、最近では10%が相場となりつつあるようです。

また、この違約金を請求するのには「催告をした上」、それでも約束を守らない時にというのが通常となります。

民法上、催告なしでの違約金の請求は認められないことが殆どですから、これは致し方ないことかと。

なお、違約金については「損害の大小に係らず●●%を違約金の額とする」という文言を入れておくべきでしょう。

トラブルがあった場合に「私の損害は●●%などでは収まらない!」などと主張されると後々面倒なことになりますから、売主・買主双方を保護するためにも違約金の上限は定めておくべきです。

 

⑩瑕疵担保責任

ご存じの方が多いと思いますが、瑕疵とは物件の隠れたキズということになります。

こうしたキズに関して、引渡し後も売主が責任を負うという意味で、瑕疵担保責任という名称が付けられているのです。

まず問題となるのは、責任を負う期間ということになりますが、一般の方が売主の場合には半年程度が通常。(3ヶ月間なんて契約もあります)

また売主が不動産業者の場合で、中古物件の場合には2年間となるのが一般的でしょう。

実は、売主が不動産業者の場合「引渡しから2年間」との特約を明記しなければ、発見から1年(例え引渡しから何年経っても、見つけてから1年間)という半永久的な瑕疵担保責任を負わされてしまうルールとなっており、2年間とせざるを得ないのが現実です。

因みに2年間より短い期間を設定した場合にも、記載がないのと同じく「発見から1年」扱いになってしまうので、気を付けましょう。

なお近年の法改正により建売(業者売主の新築物件)の場合には、「構造耐力上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分」、つまり建物の骨組みや基礎、雨漏りに関する部分については10年間の瑕疵担保責任を負うこととなっています。

また「瑕疵があった場合でも、修復可能な場合は売主がこれを修復し、買主の損害賠償や解除は認めない」というタイプの契約書も存在しますが、消費者保護の視点から無効と判断される可能性が濃厚です。

 

⑪瑕疵担保保険

建売住宅などでは買主保護の観点から、売主の負う「10年間の瑕疵担保責任」に対して、売主自ら保険に加入することを義務付けられています。

またこれに伴い、売買契約書の取り決めにおいても、売主の加入する瑕疵保険の内容を明記することがルール化されているのです。

但しここで注意すべきは、この保険は売主が倒産等の事情により、支払能力が無い場合のみに利用できるという点です。

倒産等の事情がない場合には、あくまでも売主が自己の責任と負担で瑕疵担保責任の保証にあたることを誤解なく伝えましょう。

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⑫契約書作成費用

不動産売買契約書は価格が記載されている以上、印紙税の課税対象となります。

但しこれは、原本一通につき課税ということになりますから、建売屋さんの場合には、原本はお客様のみ、自分はコピーという一通作成が主流となっています。

「契約書を何通作るか」によってこの文言は変わって来ますので、この点には注意が必要です。

なお、1通なら原本を持つ者が印紙代を負担、2通以上なら印紙代を折半とするのが通常となります。

 

⑬暴力団関係の条項

売主・買主が暴力団の構成人、またはそれに類する団体に所属、あるいは物件を暴力団事務所として使用した場合の解除条項になります。

時代的に必ず入れておくべき条項となりますが、違約金の額などについては契約書の作成者によりかなりバラ付があるようです。

なるべく厳しいペナルティーを課しておいて、損はない条項であると思います。

 

⑭その他の条項

・管轄裁判所の取り決め・諸規定の継承・信義則などの条項がこれにあたります。

これらの条項に関しては、特に注意する点はないかと思います。

 

⑮特約事項

そして契約書の最後に記されるのが特約事項(それぞれの取引に個別に設定される約束事)となります。

なお特約事項に関しては、説明にかなりの文章的なボリュームが必要となりますので、申し訳ありませんが、また後日の記事にて取り上げさせて頂くつもりです。

「不動産契約書特約条項の書き方」参照。

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売買契約書の作り方まとめ

さて以上が、不動産売買契約書作成のポイントとなります。

サラリと売買契約書の条文を読んでいくと、スルーしてしまいがちな点も、この様に要点をまとめることで「作り手」・「読み手」共に理解度が向上させられるのではないでしょうか。

契約締結後に、その内容について揉め始めると、とんでもないトラブルに発展することもありますから、じっくりと練り込まれた売買契約書で失敗の無い取引を心掛けたいものです。

ではこれにて、不動産売買契約書の作り方についての知恵袋を閉じさせて頂きたいと思います!。