不動産賃貸詐欺

 

既に不動産業者に勤務して十年以上が経過する管理人ですが、ご年配の方に「不動産屋さんに勤めている」とお話すると、時折、怪訝な顔をされることがあります。

確かに私も業界に入る前には、不動産の仕事をしている方は「油断がならない」というイメージがありましたし、昔は何かと無茶をされた先輩も多かった様ですから、年代によっては「要警戒職種」という印象が抜けないのかもしれません。

ただ現在では様々な法整備が整い、業界団体でも自主的に厳しいチェックを行っていますので、「悪いことをしている不動産屋さんを見掛けることは殆どない」のが現状です。

ところが、それにも係らずネットなどを検索していると「詐欺にあった」などの報告も度々目に致しますので、本日は「不動産賃貸詐欺について考えてみます!」というテーマにて知恵袋をお届けしてみたいと思います。

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賃貸詐欺と呼ばれる事例

ではまず、ネットなどで「詐欺だ!」と問題視されている事例について見て行きましょう。

 

礼金積み増し

賃貸の物件を紹介され、実際に契約しようとしたら「礼金の金額が跳ね上がっていた」というのがこちらのパターンです。

このケースは、客付け業者(物件にお客を紹介する不動産屋さん)が報酬額のアップを狙い、資金に余裕のありそうなお客さんに「礼金を上乗せして物件紹介」をする際に起こるトラブルとなります。

なお、積み増された礼金は一旦大家さんや管理会社の手に渡り、その後、客付け業者に広告宣伝費として戻って来ることになり、仲介手数料と広告宣伝費の二重取りが可能となる訳です。

通常は最初に募集図面を渡す際から、礼金上乗せ済みの資料を渡すのが一般的なのですが、契約前に跳ね上がったところをみると「後から上乗せしたくなった」か「上乗せするのを忘れていた」可能性が高いでしょう。

もちろんこうした行為は、不動産屋業者としても「好ましくない行為」となりますが、現実に行われているのが実情です。

但し、今時はネットなどで物件検索すれば複数の業者がホームページに同じ物件を掲載している場合も多く、礼金の水増しはアッと間に露見してしまう可能性が高いでしょう。

因みに同様の手口としては、法人契約で会社が契約金を負担する場合などに、入居者と仲介業者が結託して礼金の水増し請求をするケースがあります。

 

囮(おとり)広告

具体的にお客さんが一番迷惑するのは、こちらのケースの方が多い様に思えます。

概要としては、条件の良い物件があった場合、その物件が既に成約済みであるにも係らずネット広告等の掲載を続け、お客さんを確保する方法です。

そして実際にお客さんを物件にご案内する際には、「ごめんなさい、先程決まってしまったようです」と誤魔化し、「でも、他にもこんなに良い物件がありますよ」と他の物件に誘導していくのが手口となります。

この手口は、不動産業界内でも「業界全体の信頼性を損ねる行為」として問題視されており、囮広告撲滅のため業界団体などでも自主的な取り締まりが強化されている模様です。

囮広告に引っ掛からない様にするには、案内の当日、来店前に電話で仲介業者に物件の有無を確認する手段が有効でしょう。

ここまでしてもウソを付き、来店した際に「決まってしまいました」という業者とは、絶対に契約をしないようにして下さい。

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不動産屋さんも騙されている

さて、ここまではお客さんが不動産業者に騙されるケースをご紹介して参りましたが、近年では不動産屋さん自体も詐欺の被害に遭ってしまうことも多いようです。

そこでこちらの項では、私の知り合いの不動産業者が実際に引っ掛かってしまった、詐欺のパターンをご紹介致しましょう。

賃貸物件の流通に当たっては、大家さんから物件の管理を任されている「管理会社」と、物件にお客さんを連れていく「客付け業者」の二種類の業者が取引に介在します。

そして「客付け業者」は管理会社に連絡の上、鍵の在処を聞き出し、お客さんを物件へとお連れして、申込を入れるまでが仕事となり、申込後は「管理会社」が契約から引渡しまでを仕切るのが通常です。

そしてこの詐欺では、この管理会社と客付け会社のシステムを巧妙に利用しているのが特徴となります。

実際の手口として、レインズなどに掲載されている複数の管理会社が入っている賃貸物件について、詐欺会社が「管理会社のフリ」をしてネットなどに広告を掲載。

そして何も知らない客付け会社は、この広告を見て「物件の問い合わせ」を詐欺会社に行い、ご案内・お申込みまで話を進めます。

ここまでくれば客付け会社の仕事はほぼ完了となりますから、後は管理会社との契約の段取りを整えるだけです。

すると偽の管理会社は、客付け会社に対して「契約金を事前に指定口座に振り込んで欲しい」と依頼を掛けて来ます。

ここまでは業界内で良くあるパターンなので、客付け会社はお客さんに口座を伝え、振込を完了した上で、管理会社へ契約に向かうようにご案内することになるでしょう。

しかしながら、お客様が管理会社を訪ねると事務所はもぬけの殻。

まんまと契約金を詐欺会社に騙し取られてしまうという手口なのです。

こうなれば当然お客さんは、客付け業者にクレームを入れて来ますから、客付け業者が責任を負うしかなくなるという、正に不動産屋さんをターゲットにした巧妙な詐欺の手口と言えるでしょう。

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賃貸詐欺まとめ

この様に現在では、不動産屋さんまでもが詐欺のターゲットとなる時代になっているようです。

もちろん不動産業界としては、お客様に対しての詐欺行為の撲滅はもちろん、今回のような不動産屋狙いの犯罪に対しても、目を光らせていかねばなりません。

大切な資産をお預かりする不動産業者だからそこ、誰よりも「誠実」に、そして誰よりも「抜かりのない」存在であるべきなのでしょう。

今後も、業界全体のレベルアップに少しでも貢献できるよう、私も微力ながら頑張って行きたいと思います。

ではこれにて、不動産賃貸詐欺について考える知恵袋を閉じさせて頂きたいと思います。