賃貸重要事項説明書、記載事項

 

不動産における取引の態様の中でも、最も取引件数が多いとされるのが賃貸借契約です。

そして不動産業者が賃貸の仲介を行う場合には、当然ながら売買契約と同じく「重要事項の説明」が必須となるのですが、

業者さんの中には「賃貸の重要事項説明なんて大体でいいのでは・・・」という認識の甘い方も多いようで、

客付けの立場で仲介に入る時などに、思わず仲介印を押すのを躊躇ってしまう重説を目にすることも少なくありません。

そこで本日は、賃貸借契約における重要事項説明に必ず書いておくべき事柄について、取りまとめてみたいと思います。

では、賃貸重要事項説明書、記載事項に関する知恵袋を開いてみましょう。

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賃貸重説載事項一覧

早速、賃貸の重要事項説明書に記するべき事柄を見て行きましょう。

なお、今回は居住用物件、個人契約を前提にお話しさせて頂きます。

 

取引に係る不動産業者のデータ

客付け業者、元付け業者共に、仲介に入る業者の基本情報を説明書の冒頭に記するのが通常です。

書くべき内容は、

  • 会社の商号と住所
  • 免許番号
  • 電話番号
  • 取引士の氏名と登録番号
  • 取引の態様

等になります。

 

物件の表示

契約する物件のデータを記します。

  • 所在地
  • 物件名と部屋番号
  • 物件の種類と間取り
  • 建物の構造
  • 専有部分の面積
  • 大家さんの氏名と住所、電話番号

などになるでしょう。

 

法令上の制限について

売買の重要事項でも記載欄がありますが、賃貸の契約では非常に簡素です。

新都市基盤整備法や新住宅市街地開発法など、土地収用に係る法令や、土砂災害防止法など崖崩れに係る法律の規制を受ける場合のみ、その内容を記することになるでしょう。

殆どの場合は「該当なし」の記載となるはずです。

 

登記簿謄本に関する事項

物件の登記簿に記された内容を記する欄となります。

ここは意外に重要な部分となりますから、以前に物件の謄本を取得していても、必ず再度取得して内容を確認しましょう。

重要事項説明には、所有権に関する内容を記した「甲区」、その他の内容について書かれた「乙区」の内容をしっかり表示します。

特に注意するべきは甲区に「仮差押え」や「差押え」、乙区の「抵当権」の設定が有るか無いかということになります。

そして、これらの権利が設定されている物件を借りた者は、物件が競売にかけられた際、競落人に対しての対抗力がありませんから、

6ヶ月の猶予期間の後、強制的に退去させられ、敷金の返還を受けることも出来ない旨を書いておきましょう。(詳細は「不動産競売の流れをご説明致します!」をご参照下さい)

なお、抵当権のみが設定されている物件は数多く、大家さんが借入返済を滞納しない限りは問題がありませんので、その旨を契約者に伝えれておくだけで済みますが、

「仮差押え」「差押え」は既に滞納が発生している際に設定されるものですから、退去させられる可能性が高いことをしっかり説明しなければなりません。

 

インフラ関係の表示

電気・ガス・水道などに関する設備状況を説明します。

水道については公営水道、電気は電力会社、下水に関しては公共下水(時折、浄化槽)と記するのが通常ですが、ガスについては都市ガス・プロパンという選択肢が出て来るはずです。

また、使用料の請求が専用メーターによるものなのか、共同メーターなのかも忘れずに記載しましょう。

※共同メーターの場合は、オーナーさんが各住戸ごとに使用料を計算して請求を行い、最終的に大家さんが一括で支払うのが通常です。

 

建物の設備

物件内に設置されている設備の一覧となります。

  • キッチンやトイレ、風呂などの基本的な住宅設備の有・無
  • コンロの有・無
  • エアコンの有・無
  • 照明器具の有・無
  • カーテンレールの有・無

など、細かに設備状況を記載して行きます。

過去記事「賃貸の残置物と設備の使い分けについて!」で記した『設備』に属するものはここ書いておきましょう。

反対に『残置物』の扱いにしたい物品に関しては、例え部屋にあってもここでは「無し」の記載を行います。

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賃料等の表示

月額賃料や管理費、敷金・礼金などがある場合はここに記しておきます。

また、賃貸借契約の更新ごとに支払うべき借家人賠償保険や賃貸保証会社の保証料、町内会費など不定期に徴収される費用についても漏れなく記載する必要があります。

 

完成時の形状や構造

物件が既に完成している場合には、「説明事項無し」となりますが、未完成の場合には「別紙により説明」として、設計図などで完成時の状態を説明することになります。

 

契約期間

契約の始期と期限を記する欄となりますので、●年●月●日~▲年●月●日と具体的な日付を書きましょう。

また、更新に関する事項もここで触れるべきですから、更新料の金額や、更新時に発生する保険料などについても記載しておきます。

 

物件の用途

今回の場合は「居住用」となり、「居住」以外の目的では利用できないことを明記します。

また、分譲マンションなどで「管理規約により利用法に制限がある」場合はその旨を書いておきましょう。

更には、物件使用上の注意として賃貸借契約「賃借人の義務」を遵守することを書き添えておけば完璧です。

 

契約の種類

一般的な賃貸借契約か、更新がない定期建物賃貸借などの契約なのかを記載する場所となります。

 

敷金に関する事項

契約書に定められた敷金に関する事項について記することになります。

入居者が物件に与えた故意過失による損害は敷金から差し引く旨、特約によりルームクリーニング費用が必要となる場合にはその旨も書いておきましょう。

 

解約予告について

入居者からの解約は1ヶ月前予告となることを記しておきます。

 

契約の解除について

「賃貸借契約書の解除事項を参照」と書けば充分ですが、賃料の滞納や迷惑行為、暴対法絡みなど、これは特に重要という内容については改めて書いておいて損はないでしょう。

 

損害賠償について

こちらも契約書に記されている内容ですが、一応書いておきます。

故意・過失による損害は入居者負担となる旨、地震や火災、盗難などは大家さんに責任を追及できない旨を書いておきましょう。

 

アスベスト・耐震診断について

アスベストについては、物件において調査を実施している時はその結果を書きます。

調査をしていない時は、「調査未実施」でOKです。

耐震診断については、建築基準法の耐震基準に改正のあった昭和56年以降の建物であるか、否かによって書き方が変わります。

昭和56年以降の建築であれば「説明事項義務なし」となりますし、それ以前の場合には、アスベストと同様に調査をしているか、否かを書くことになるでしょう。

調査していない場合は「未実施」と書けば、それ以上の説明義務はありません。

 

備考欄

これまで記して来た記載事項意外に告知することがあれば、ここに書いておきましょう。

基本的には賃貸借契約書の特約事項を念押しのために書いておいたり、物件の周辺環境などに係る事柄が記されることが多いはず。

以下に記するべきカテゴリーを一覧で表示し、それぞれの事項の関連記事にリンクを貼っておきます。

リンク先は売買の記事の場合もありますが、備考欄に何を書くべきかのヒントとなるはずですので、是非ご参考になさって下さい。

 

仲介手数料の支払承諾

そして最後が、「仲介手数料の支払してもらえるか?」という確認欄になります。

ここでは具体的な手数料の金額を書いた上で、署名捺印を頂きましょう。

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賃貸重説まとめ

さて、ここまで記した内容が、賃貸の重要事項説明に書いておくべき内容となります。

「たかだが賃貸の契約」なんて馬鹿にする方もおられますが、意外に賃貸の重要事項説明書作成は手間が掛かるものです。

また、この記事に記載がないことでも「これを知っていたら借りなかった!」と後々お客さんが言い出しそうなことは、包み隠さず書いておくべきでしょう。

例え賃貸の契約でも、トラブルになれば仕事どころの騒ぎではありませんから、細心の注意を払って重要事項の作成に当たりたいところですね。

ではこれにて、賃貸重要事項説明書、記載事項を解説の知恵袋を閉じさせて頂きたいと思います。