賃貸契約解約の流れ

 

これまで本ブログでは、「賃貸の入居までの流れ」「賃貸契約書作成のポイン」などについて解説して参りました。

しかしながら、入居する人間が居れば、当然ながら退去が発生するのも避けられないことであり、

賃貸管理の業務においては退去も非常に重要なウェイトを占めるイベントとなりますから、ここも気を抜くことの出来ない局面であることは間違いありません。

そこで本日は、賃貸契約解約の流れについて解説をしてみることに致しましょう。

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解約業務の流れ

では早速、退去の手続きの進め方を見て参りましょう。

なお、今回ご説明する流れは居住用物件、個人契約の場合とさせて頂いた上、退去立会い、敷金精算・原状回復工事の負担交渉などの詳細は、それぞれの特集記事を参照して頂ければと思います。(記事内にリンクが貼ってあります)

 

退去予告

全ての退去関連業務は入居者からの連絡がその幕開けとなります。

多くの入居者は電話で知らせて来ますが、後々の争いを避けるため「解約届」などの書式を作成しておき、最終的には書面で解約の意思表示を確認出来るようにしておくのがベストでしょう。

なお、通常の契約書では解約予告日から1ヶ月間は賃料が発生する「1ヶ月前予告の条項」が入っているはずですので、電話で受け付けた際は、その場で何日分まで賃料が発生するかを伝えておくのがポイントとなります。

更には、退去に際して立会いを行うことを告げると共に、その日程や時間の打ち合わせ、電気・水道等の使用停止連絡をしてもらう旨なども合わせて伝えましょう。

 

オーナーさんへの報告

退去予告の連絡を受け付けたら、まずは物件のオーナーさんへ連絡を入れます。

この際、入金管理を請け負っていないなら、何月分まで賃料が入金済みであるかなども合わせて確認し、滞納があるようなら立会日までに振り込んでもらうよう入居者に伝えるようにしましょう。

また入金管理を行っていない場合には、「滞納している賃料がないか」の確認をしなければなりません。(敷金清算を行う際の計算に影響が出るため)

また、繁忙期などでお客さんの動きが良い時などは、退去後の新規募集に備えての賃料打ち合わせなども済ませておくと便利です。

 

退去立会い

ここまでに退去立会いの日程が決まっていれば、入居者と待ち合わせて物件内部の確認を行います。

詳しくは「賃貸退去立会いのポイントを解説!」という記事にて書いていますが、下記の点を確認・点検しましょう。

  • 借主の引っ越し先や連絡先の確認
  • 室内の汚れや傷の確認
  • 電気・ガス・水道等の使用停止連絡が済んでいるかの確認
  • 敷金返金用の口座番号等
  • 残置物の有無、物件設備を持ち出していないかの確認

以上の作業が完了すれば、立会いの仕事は大体完了です。

通常、立会いの場で原状回復工事費用の負担分を取り決めるのは困難ですから、お部屋の状態だけを確認した上、「追って連絡」ということにしておきます。

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現状回復のための見積もり作成

立会いが完了して鍵の返却を受けたら、リフォームを担当する工事業者に依頼し、原状回復工事の見積もりを作成してもらいます。

そして見積書をまずはオーナーさんに確認してもらい、原状回復費用として借主から徴収する負担分を取り決めましょう。

管理会社が独断で借主と負担分を取り決めると、大家さんからのクレームとなりかねませんし、期待している程請求出来ないという現実を理解してもらうためにも「先に大家さん」に見積もりを見てもらうのが肝要です。

なお、どんな費用が敷金から差し引くことが出来るかについては、過去記事「賃貸敷金トラブルについて考えてみましょう!」をご参照頂ければと思います。

 

借主との交渉開始

原状回復工事の見積書を大家に確認してもらい、借主に請求を掛ける工事負担金の金額が決まれば、早速、入居者との交渉に入ります。

近年ではメールやラインで見積書を送り、全てをネット上のやり取りで済ませる方も少なくありませんが、文字媒体での交渉はトラブルを招くことが少なくありませんので、極力電話で互いに資料を見ながらの打ち合わせを行うのがおすすめです。

なお、すんなりこちらの提案が通れば問題はありませんが、異議を申し立てるようなら、再びオーナーさんに相談することとなります。

ただ、注意したいのは借主がこちらの案を承服出来ないのであれば、「どんな条件なら承服するのか」を必ず聞き出しておくことです。

単なる伝承バトでは、管理会社の仕事を全うしたとは言えません。

そして時にはこの貸主・借主間のラリーを果てしなく繰り返され、最悪のケースでは訴訟沙汰へと発展することがありますが、プロとして毅然とした態度で交渉に臨みましょう。

 

交渉成立

借主との原状回復工事負担分の交渉が完了すれば、後は事務的な手続きのみとなります。

なお後々、言った言わないにならないように合意内容確認のための「敷金精算の覚書」を作成する様にしましょう。

記載する内容については、

  • 合意した原状回復工事負担分の金額と工事の内容
  • 敷金から工事負担分を差し引き、いくら返金するか
  • 返金をもって賃貸契約が完了する旨
  • 返金は、覚書が大家さんに返送されてからとなる旨

というのが一般的でしょう。

また返還すべき日割り賃料など、他に精算すべき金銭がある場合は、ここにまとめて記載しておきます。

但し、敷金を全て投げ打っても原状回復工事負担分が賄えない場合には、オーナーさんの口座を記載し、「賃借人が不足分を支払うことで賃貸借契約が終了します」という覚書の内容になるでしょう。

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賃貸解約業務まとめ

ここまでお話した内容が、賃貸管理の退去業務のおおまか流れになります。

近年では、敷金の精算などに対して紛争に発展するケースも決して珍しくありませんから、充分に注意したいところです。

もちろん業務である以上、責任感を持って仕事にあたるべきでしょうが、あくまで貸主・借主の緩衝剤となるのが役割ですから、あまり無理な対応は行わないように心掛けましょう。

あまりに不条理なことをいう当事者には、「だったら自分で交渉してよ!」という勇気も時には必要かもしれません。

ではこれにて、賃貸契約解約の流れをご紹介する知恵袋を閉じさせて頂きたいと思います!