賃貸物件の設備

 

不動産投資を行うにあたり、オーナーが最も頭を悩ますのが「如何に空室率を低下させるか」という問題です。

これまでも本ブログでは、この問題に対処するべく「収益物件の空室率低下に役立つ裏技をご紹介!」などの記事を書いて参りましたが、そんな空室対策に大きな効果をもたらすのが「物件の設備を充実せ、物件の付加価値を向上させる」という方法となります。

但し、いくら付加価値を上げたいからといって、4Kテレビにホームシアター、高価な健康器具などは入居者の好みの問題もあり、それ程効果的ではないことも合わせてお伝えして参りました。

また、設備の中には「効果が薄い」どころか、設置したオーナーにとって「完全な負担」となってしまう危険な代物も存在していますから、その選定には充分な注意を払う必要があるでしょう。

そこで本日は、「賃貸物件の設備に加えてはならない物を解説致します!」と題して、大家さんに思わぬ不利益をもたらす賃貸の設備について解説してみたいと思います。

スポンサーリンク

 

充実した設備は両刃の剣

早速、「設置するのをなるべく避けたい設備」を具体的にご紹介したいところではありますが、より理解を深めて頂くために、まずは『賃貸物件の設備の扱い』についてのご説明から始めることに致しましょう。

過去記事「賃貸の残置物と設備の使い分けについて!」にて詳しくご説明しておりますが、賃貸のお部屋の中に設置されている備品は「設備」と「残置物」という二通りに分類することが出来ます。

「設備」は、建物に付属した備品という扱いになりますから、所有権はオーナーが有することとなり、通常の使用により生じた故障は、大家さんの負担で修理をしなければなりません。

また、入居時から設備として存在していた備品が修理不能となった場合には、大家には同等品との交換義務があると解釈されますから、「壊れたら、撤去して終わり」なんてことは許されないのです。

これに対して「残置物」は、基本的に前の入居者が所有権を放棄して置いて行った備品となりますから、メンテナンスも入居者の負担となりますし、処分も任意で借主が行える性質のものとなります。

もちろん、以前の入居者がそう簡単に物品を置いていってくれるはずもありませんが、この「残置物の特性」を上手に活かすことにより、

元々は設備として取り付けていた型の古いエアコンを便宜上「残置物」として扱い、『大家の設備メンテナンス費用を削減する』といった手法は、既に多くの投資家さんが実践しておられるはずです。

ただ、こうした手法を知らない経験の浅い大家さんは、あらゆる備品を「設備」扱いとしたまま部屋を貸し出してしまい、後で「痛い目」をみるケースもしばしば見受けられます。

そして、そんな中でも特に「設備とする」と厄介なのが、次の項に上げる品々なのです。

スポンサーリンク

 

危険な設備はこれ!

では実際に、それぞれの備品を見て参りましょう。

 

食洗機

最近では、建売住宅、分譲マンションでも標準装備となっていることが多い食洗機ですが、実は非常に故障が多い器具でもあります。

もちろん売買物件に装備されるくらいですから、アッと言う間に壊れてしまう訳ではありませんが、3年、5年と経過すると様々なパーツにガタが出て来ることが多い様です。

設置したばかりの時は問題がないでしょうが、時間の経過と共にメンテナンスの頻度が急上昇して行くことなります。

事実、私が担当した物件でも、1年間に数回修理の手配をした上に、結局は買い替えるという憂き目にあった大家さんがおられますから、貸出すお部屋にある場合は、例えビルトイン式でも「残置物扱い」にするのがおすすめでしょう。

 

ディスポーザー

あまり馴染みのない設備かもしれませんが、キッチンの排水口などに設置されており、生ゴミなどを粉々に粉砕して下水に流してくれるという器具となります。

使う分には非常に便利なのですが、こちらも食洗機同様に時間の経過と共に故障が目立つ器具となりますから、設備で扱うにはなかなか危険な備品となるでしょう。

 

浴室テレビ

お風呂に入りながら、ゆったりテレビが見られるという人気の製品ですが、高い防水性能を求められるだけに、経年変化には弱い器具となります。

特に壁に埋め込まれた形状のものは、交換に際してなかなかの費用が掛かりますから、こちらも是非ご注意頂きたい備品となるでしょう。

 

庭・花壇など

こちらに関しては設備・残置物という区分ではないかもしれませんが、やはり注意が必要な施設となります。

「賃貸で庭や花壇何てあるの?」なんて声も聞えて来そうですが、貸家や一棟アパートの一階部分、専用庭付きの分譲マンションでは、充分に有り得るでしょう。

そしてここで最も重要となるのは、「これらの管理を誰が行うか?」という点です。

土が露わになった部分は、季節の変化で確実に雑草が生えて来る上、ここに入居者が植物を植え始めたりすると、下手な雑草駆除は出来なくなりますし、大家と入居者の一体どちらが管理すべきなのかも曖昧な状態になってしまいますよね。

そこでお勧めしたい管理方式が、「庭・花壇は入居者が自由に利用して良いが、雑草、害虫駆除等も入居者が責任を負う」というものです。

これならば契約書に一言加えておくだけで済みますし、何度も除草作業を求められることもありません。

また、「管理が悪い」と近隣からクレームが入った際にも、堂々と入居者に文句が言えますよね。

スポンサーリンク

 

危険な設備まとめ

さて、ここまで見て来た通り、物件の付加価値を向上させるはずの「設備」が、時には後々オーナーさんを悩ませる『厄介なもの』へと変貌してしまうケースがあることを、ご理解頂けたことと思います。

また、先に挙げた事例をご覧になって、既にお気付きの方もおられるかもしれませんが、備えると厄介な設備はどれもが「やや贅沢な品々」であるのも特徴でしょう。

これはエアコンなどでも言えることですが、様々な機能が付いたものは故障が多くなるのが道理ですから、収益物件に設備として導入するなら、なるべくシンプルで耐久性重視の製品にするのがおすすめです。

なお本文中では触れていませんが、近年トラブルが増えているのがシングルレバーの水栓(水道を出すのにレバーを上げ下げするタイプの水栓)だったりします。

今時はキッチン・洗面所はもちろん、お風呂だってシングルレバーの水栓が通常なのですが、この水栓、パッキンの交換が非常に困難なのが特徴。

通常、賃貸の契約では水道パッキンなどの消耗品は入居者の負担となっていますが、シングルレバーの場合、例えパーツが入手出来ても一般の方がパッキン交換を行うのは技術的に非常に難しいのです。

それどころか、プロの業者に依頼しても、上手くパッキン交換が行えず、結局は蛇口ごと交換することとなり、数万円もの工事費用が掛かる事例が頻発しています。

そしてここで問題となるのが、この工事費用を誰が負担するのかということです。

水栓は間違いなく設備ですが、パッキン交換は入居者の義務ですから、実に悩ましいところですよね。

おまけに工事代金も高額なものとなりますから、今後はこうした問題が頻発していくのではないかと予想さしています。

私としては契約書に、「パッキン交換の失敗により、水栓交換が必要となった時は、その費用を貸主・借主で折半する」なんて特約を入れておくのがベターなのではないかと思っていますが、如何なものでしょう。

この件に関しましては、また良い解決方法を発見し次第、ご報告をさせて頂く予定です。

ではこれにて、「賃貸物件の設備に加えてはならない物を解説致します!」の知恵袋を閉じさせて頂きたいと思います。