借地権更新料の相場

 

前回、「借地権とはどのうようなものなのか?」という記事を書かせて頂きました。

その中で借地権者は、借地契約の更新や譲渡に際して、底地権者(土地の持ち主)に承諾料等の支払義務があることをお話致しました。

そこで本日は、借地権更新料の相場や、各種承諾料の金額の目安について解説させて頂きたいと思います。

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明確な基準がない借地に係る費用

建物を建てる目的で土地を借りる際に、借地権者が底地権者(土地所有者)に支払わなければならないとされている費用は、

  • 更新料
  • 建物の建替え
  • 増改築
  • 条件変更
  • 名義変更・譲渡承諾

以上5項目に関してであるとされています。

そしてこれらの費用については、法律上「承諾を得なければならない」とされているだけで、「いくら費用を払え」とは定義されていません。

また、支払うべき費用についての明確なガイドライン等も定められている訳でもないため、借地権者と土地所有者の間で、その金額を巡ってトラブルになることも少なくないのです。

但し、あまりに法外な承諾料などを地主が請求した場合には、法律は借地権者保護の観点から、「地主に対する建物の買取請求権」などを借地権者に与えることにしていますので、地主サイドもあまり無理は言えない制度となっています。

よって、借地権者と地主はこうした縛りの中で金額の擦り合わせを進めていくことになるのですが、一体何を基準に承諾料等の擦り合わせをしていくかとなれば、それはズバリ「過去の裁判から導き出された判例」ということになるでしょう。

そこで次項では、これまでの判例から見えて来る、各種費用の相場について見て参ります。

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一般的に用いられる各費用の相場

  • 更新料        所有権更地価格の 3%~5%
  • 建物の建替え     所有権更地価格の 3%~5%
  • 建物の増改築     所有権更地価格の 1%~5%
  • 条件変更       所有権更地価格の 約10%
  • 名義変更・譲渡承諾  借地権価格(所有権更地価格の60~70%)の約10%

以上が判例を基に導き出された借地権に係る費用の相場となります。

但しこのパーセンテージは、全国の判例を基に平均化した数値となりますから、東京の山の手線内などの一等地では、基準を大きく上回る場合もありますし、人口の少ない山間部などでは基準を下回るケースもあるはずです。

「あくまでも判例ベースの平均値、地域によっては当てはまらない」と申し上げると、何とも頼りない基準にも思えてきますが、地主・借地権者の両方がこの基準の特性を充分に理解し、意見をぶつけ合えば、それなりの落とし所が見えて来るのではないでしょうか。

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実際の擦り合わせ

では最後に、先程示した判例ベースの基準を活かして、どのように話し合いを勧めて行くかについて記してみたいと思います。

まず何より大切なのは、判断の基準となる「所有権更地価格」を如何に正確に算出するかということになるでしょう。

詳しくは不動産業者さん向けの記事「不動産の査定方法について!」にて解説していますが、『どこどこの土地が坪何万で売りに出されている!』などの短絡的な考えで、土地の相場を判断するのは非常に危険です。(実勢価格と大きな差のある価格が算出される可能性があるため)

では「どの様に土地の価格を導き出せば良いの?」ということになるかと思いますが、こうした場合には中立的な立場の不動産業者に費用を支払い、査定報告書を作成してもらうのが有効な手段となるでしょう。

なお、一社の査定だけでは信頼出来ないという場合は複数の業者に依頼を掛けるのも問題ありませんが、手間を掛ける以上、報酬だけはしっかり払うようにして頂きたいものです。

 

さて、こうして根拠のある所有権更地価格が示されれば、後は判例基準にて示されたパーセンテージの問題を、地主・借地権者間で片付けるのみとなります。

なお、この交渉に当たっては、現在の地代と固定資産税のバランス、過去に支払って来た更新料・建替え承諾の金額、そして物件所在地の地域特性等を、包括的に比較検討していけば、自ずと着地点が見えて来るのではないでしょうか。

因みに、周辺に同じ地主の借地があれば、それらの土地にて過去に授受されて来た更新料等の金額も大いに参考となるはずです。

こうした前例が示されれば、地主も嘘は付けませんし、借地権者も「自分だけ安く済まそう」とするのは、近所に気まずいものがありますから、交渉の大きな指標になるかと思います。

借地権更新料の相場まとめ

さてここまで、借地権の更新料や各種承諾料の相場について解説して参りました。

更新料や承諾料の交渉は非常に面倒に思えますが、こうした方法を執れば、ある程度スムーズに問題が解決出来そうですよね。

また、地主や借地権者と直接話すのに抵抗があるという場合には、地元の不動産業者さんなどに間に入ってもらうのも一つの方法でしょう。

一方的に「●●万円で話をまとめて欲しい!」なんて依頼の仕方をすると、難色を示す不動産屋さんも多いでしょうが、記事中でご紹介した様な根拠を示しながら、交渉を依頼すれば、業者も快く引き受けてくれるはずです。

ではこれにて、借地権更新料の相場、各種承諾料の金額の目安についての知恵袋を閉じさせて頂きたいと思います!